


著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は俳優・片桐はいりさんの「海南飯店」の「うなぎとにんにく煮込み」。
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片桐家は祖父の代から親戚一同集まって、みんなで賑やかにおいしいものを囲むのが好きな家でした。父は人一倍食いしん坊で、小さい頃から横浜中華街にもよく連れていってくれましたね。そのうちのお気に入りの一軒がこちらです。
当時はいつもメニューも見ずに、適当に見繕っておすすめ料理を作ってもらっていました。とくに印象的だったのがこの一品です。私はそれまで、うなぎと言えば蒲焼きしか食べたことがなかったので、中国ではこんな料理があるんだって驚きましたね。ブツ切りで中骨もあって。ニンニクはホクホクするほどやわらかく煮てある。一見、こってりとした感じだけど、食べるとむしろ上品な広東風の味なんです。こんな料理を変わらず出してる店って珍しいですよね。
今も中華街の前を通ったら素通りできず(笑)、ひとりふらっと汁なしのネギそばだけ食べに入ることも。周りに新しい店が増えましたが、私は昔ながらのほっとするような味が好み。つい足が向いてしまいます。
(取材・文/今中るみこ)
「海南飯店」神奈川県横浜市中区山下町146/営業時間:11:00~22:00L.O./定休日:なし
※週刊朝日 2018年9月14日号