「県民栄誉賞の授賞式でお会いした際には、お痩せになられた印象がありました。今思えばあの時も、体調が優れなかったにも関わらず、私を気遣ってくださり、優しい言葉をかけてくださいました」

 沖縄観光のプロモーション「Be.Okinawa」のポスターや動画などにも安室が起用された。

「安室さんが5月に沖縄県民栄誉賞を受賞したのをきっかけに、無償で協力いただいてます」(沖縄県観光振興課)

 ラストライブは引退日前日の9月15日、沖縄県宜野湾市で開催される花火ショーの前夜祭だ。

「会場近くのホテルには予約が殺到。街では“アムロ女子会”が開かれ、曲を聴き、写真を見ながら食事する光景をよく見かけます」(沖縄県の観光業者)

 最後のステージを安室はどう迎えるのだろうか。日本歌手協会の田辺靖雄会長はこう言う。

「引退は永遠に歌手を残していく手段でもあります。彼女は完全燃焼したんだと思います」

 前出の依田プロデューサーはこう話した。

「沖縄の人たちが門出を祝おうとしている雰囲気を感じますね。安室さんは最後のドームコンサートで『みなさんの毎日の中に素晴らしい音楽がつねにあふれていますように』と話した。みんなの胸の中に安室さんが残って、新しい日々がスタートする。そんな未来志向で最後を迎えるのでは」

 終わりではなく始まりのラストライブになるようだ。(本誌・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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