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 歯科医院の数はコンビニの数より多いといわれ、全歯科医師の約6割は開業医(診療所の開設者または法人の代表者)です。なぜ歯科医はこれほど開業者の数が多いのでしょうか? 歯科治療と経営手腕は別のものなのでしょうか? テレビなどでおなじみの歯周病専門医、若林健史歯科医師に聞きました。

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 厚生労働省の最新の調査(2016年12月31日時点)では全国の歯科医師の数は10万4533人、うち診療所の開設者または法人の代表者は5万9482人で、全歯科医師の約56.9%を占める計算になります。開業の時期はさまざまですが、歯科医院の院長になる歯科医師がもっとも多いということになります。

 なぜ開業する歯科医が多いのでしょうか。歯科医は医師と違い、勤務する職場が少ないということもあります。医師は、複数の診療科がある病院などに勤務し、ほかの医師や医療スタッフと連携しながら診療をおこないます。これに対して歯科医は歯科助手などのサポートは必要であるものの、やろうと思えば(後述のように、実際には1人でやるのは難しいですが)1人でも診療が可能です。

 しかし、職場の問題以上に、歯科医は「一国一城の主になりたい」という気持ちが強い人が多いからだと思います。

 歯科医師の多くは歯学部を卒業後、主に歯科医院に勤務しながら技術を磨きますが、仕事をしているうちに、「この歯科医院では使っていない材料で、さらに高度な治療がしたい」など、やりたいことがでてくるものなのです。

 もっとも以前は3~5年で開業するケースが多かったのですが、近年は、徐々に開業までの期間が長くなっています。歯科の治療が複雑かつ専門化してきて、開業までに学ばなければならないことが多くなってきたためです。

 しかし、実際に開業するとなると、大変です。歯学部では歯の治療の仕方は学べますが、経営のノウハウは教えてもらえません。勤務先の歯科医院でも院長は経営や収入がいくらあるかなんて、教えてくれませんからね。

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