放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回はコンラッド東京の「ルーヴル スイーツブッフェ」。
【コンラッド東京の「ルーヴル スイーツブッフェ」の写真はこちら】
* * *
長年、テレビ局にも出版社にも出入りしている経験から比較させてもらうと、外食が充実しているのは断然、出版社だと思う。
グルメと評判の社員も圧倒的に出版社の人たちのほうが多いのではないか。テレビ局の人とは、優雅に食事をしたという経験が、ほとんどないように思う。
そんな中、主調整室を麹町の社屋から汐留に移転してから14年。日本テレビの社員や出入りの人たちの“食”は変化してきた。
顕著なのは、地続きで有名ホテルやレストランが多数入る商業施設が増えたこと。そこでゆっくりしている“現場”の人たちが多いワケではないのだけれど、近くにあるとないのとでは、心づもりが大きく異なる。
この時期、日テレ関係者の目がいっきに向いた近隣ホテルの催事がある。「コンラッド東京」が開催している、「ルーヴル美術館展」とのコラボメニューが、それだ。
いま、日テレ社内には「ルーヴル美術館展」のポスターがたくさん貼ってある。肖像芸術に特化した約110点の作品を「国立新美術館」(東京・六本木)に展示している同展の主催者に名を連ねているからだ。
実は「20年プロジェクト」というのも始動していて、20年間に6回の「ルーヴル美術館展」を開催することが4年前に決定。今年から4年に1度、大規模に行われる同展に大きく関わっているのである。その盛り上げに一役買っているのが汐留社屋の“ご近所”、「コンラッド東京」というワケ。
ダイニングやバー&ラウンジ、モダンフレンチの各店に、ルーヴル関連メニューやコースがあるのだが、圧巻なのは、オールデイダイニング「セリーズ」で行われている「ルーヴル スイーツブッフェ」だろう。
テーマは“夏のパリ”で、マカロン、エクレア、カヌレを始め、表面に車輪模様が描かれたパイ「ピティビエ」など伝統的かつ、こだわりのフランス菓子が揃う。
日テレ関係者としては、こちらのコラボも盛り上がってほしいところだが、自社の多くの社員が時間をかけて優雅に……とは、なかなか、ならないようだ。
が、このルーヴル関連メニューは、「“コンラッド再発見”に繋がっている」と、ある関係者が言っていた。オープンして13年。東京汐留ビルディングの28階から37階にあるため、浜離宮恩賜庭園を一望できる絶景や、個室があるレストランやスパ&フィットネスなど、「改めて『使える』と実感した」(関係者)というのだ。
ルーヴルが繋いだ日テレとご近所ホテルとの蜜月は始まったばかりだ。
※週刊朝日 2018年8月17-24日合併号