「意外にもケガや病気になるペットは多くなかった。よく見られたのは、ストレスによる体調変化で下痢や食欲不振になるケース。被災地には、支援物資もかなり潤沢にありましたが、ペットは敏感です。いつもと違うごはんを食べるとおなかを壊すこともある」

 病気持ちのペットがいる場合は、きちんと病名や常備薬名を覚えておこう。

「『いつものお薬』とか『ピンク色です』。それでは、残念ながら薬はわかりません。ペットにはお薬手帳がありません。メモをしていてもいざとなると持っていけないこともあるので、記憶しましょう」(小川さん)

 物質的な備えとしては、玄関などにリードやキャリーケースなどを置いておくことだ。リードがないと、抱えて走ることになる。

「ペットを飼っているということ自体がマイノリティー。震災時には覚悟をもつことが必要です。避難所では、ふだんはカワイイと言われていたペットも時に『うるさい!』となってしまう。そのつど肩身の狭い思いをするのは飼い主です」

 震災時に起こり得る問題点を想像し、最低限の備えはしておこう。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日 2018年7月6日号

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