■論理力は日常の遊びからでも身につく
そう考えると、もし学校で特別な対策をしなくても、大学入学共通テスト用に論理力を鍛えるのは、そこまで大変なことではないように思えます。もちろん、早々に入試専用の論理力をつける参考書・問題集をゲットするのは手っ取り早い方法です。ただ、「勉強」と身構えると、長くは続けにくいもの。もし、日常的に遊ぶことで論理力をつけられるならそれが最強でしょう。
そこで思い浮かんだベストな手助けアイテムは「ゲーム」です。私は、子どもにゲームや漫画を、規制せずにどんどんやらせようと思っています。なぜなら自分や夫がそうやって育ってきたからです。昔から、ゲームをひとくくりにして「害悪」と決めつけてしまっている人たちがいるのも知っています。最近では慶応義塾大学の教授が、自分の子どもが観劇に関心を示さないことに激怒して「ゲームはクソ!」と叫んだら、「ゲームが大好きなのに」と泣かれ、「それが私の子どもなのか」という発言をし、さらに観劇を見せようと勝手にチケットをとったというツイートをして炎上していました。ただ、私が思うに害かどうかはゲームの内容によるのではないでしょうか。
以前、「自分は2次元しか興味がない」と言い放った東大理IIIの学生がいました。実際に、ゲームをすることで普段使わない脳の部分が活性化される、認知症にゲームが有効である、という文献も出ているくらいです。たとえば、有名なパズルゲーム「テトリス」のように、落ちてくる図形をキッチリと組みたてて消していく作業なんて、日常でやる機会などないでしょう。でも、それにより全体を見渡す力や、空間把握能力が強化されるのは明らかです。次に落ちてくる図形が前もって表示されるシステムにより、「先を見越して」「今作るべき形をどうするか」も考えなくてはいけないため、瞬時に適切なものを選択する能力も得られます。そう思うと、ゲームは脳を鍛えるためにかなり優秀なツールなのではないかと思えます。
そして、論理力をつけるためには、やはりRPG(ロールプレイングゲーム=自分が主人公となり、問題をクリアしてストーリーを進めていくもの)が最強だと思います。例を挙げると「村の橋が壊れている」「橋を直すために鉄の板が必要」「鉄の板は南の洞窟にある」「洞窟の奥にはボスがいるので、ボスを倒せるまでの力をつける必要がある」というような、順を追った思考が求められ、おかげでダイレクトに論理力が鍛えられるわけです。