
池井戸潤さん原作の映画「空飛ぶタイヤ」で主演のTOKIO長瀬智也さん。演技論や映画製作への意欲など作家の林真理子さんが迫ります。
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長瀬:今回もそうですけど、監督も、スタッフも、プロの職人さんたちが多かったので、すごくカッコよかったです。男くささがあったかな。余計なこと言わないから、こっちも考えるんです。僕は、演技に関してあんまり明確なことは言ってほしくないんですよ。言われるとそのとおりになっちゃうから、自分で考える余地を与えてほしいんです。一方で、僕も「こうしたい」とか「こうだ」みたいなことはあんまり言わないんです。「こういう感じのような気がする」とか、曖昧さがあったほうがいいような気がするんですね。
林:なるほど。
長瀬:言葉では言わなくても、求めているものがみんな何となくわかるというか、そういうプロの集団だった感じがしますね。
林:この映画、おそらくすごくヒットすると思う。
長瀬:ほんとですか? そのへん、僕はけっこう持ってない人なんで、映画会社さんには申し訳ないんですけど(笑)。
林:そんなことないですよ。長瀬さんは今年40歳で、役の幅がどんどん広がっている感じはしませんか。