来日した彼女が語る「事件の真相」とは?(※写真はイメージ)
来日した彼女が語る「事件の真相」とは?(※写真はイメージ)

 4度のアカデミー賞ノミネート歴を持つ演技派女優ミシェル・ウィリアムズさん(37)。主演した新作「ゲティ家の身代金」(公開中)は、セクハラ問題による大物俳優の降板、男女の賃金格差などさまざまなニュースももたらした。来日した彼女が語る「事件の真相」とは──?

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 映画「ゲティ家の身代金」は1973年に起きた事件を題材にしている。大富豪ゲティの孫が誘拐され、50億円の身代金が要求される。しかしゲティは支払いを拒否。離婚によってゲティ家と距離を置いていたミシェルさん演じる母親ゲイルは、誘拐犯だけでなく、無慈悲な大富豪とも闘わねばならなくなる。

「私自身が12歳の娘の母親であることで、よりキャラクターに共感できたと思う。それに、初めは70年代の女性の立場の弱さや困難を描く思いだったけど、いざ映画がスタートするといろいろな問題に巻き込まれて、いまも変わらず『女性の立場の難しさ』があることが改めてわかった」

 というのは、本作はさまざまな「いまどきの問題」を浮き彫りにもしたからだ。ゲティ役だったケヴィン・スペイシーがセクハラ問題で降板し、急きょクリストファー・プラマーが代役に。再撮影にミシェルさんらも協力したが、映画完成後に彼女と共演者マーク・ウォルバーグとの間に大きな賃金格差があったことが明らかになったのだ。

「私の日当が80ドルで、マークは3日間で150万ドル! ものすごい格差よね(笑)。私の仕事の価値はこれっぽちなの?と思ってしまった。そんな私の思いを女優のジェシカ・チャステインがツイートしてくれて、それがあっという間に拡散されたの。アクティビスト(社会的な活動家)として、現状に甘んじていてはダメだ、という意識を新たにしたわ」

 以前から、#MeTooから派生した「タイムズ・アップ」(セクハラや性差別に抗議し、被害者を支援するキャンペーン)に参画。今年のゴールデン・グローブ賞ではブラックドレスを身につけ、アクティビストを同伴した。

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