「女優同士が話すようになったの。『この業界をどう変えていく? ほかの業界は?』って。これまで女優業は小さいパイを奪い合う敵同士とされていた。でも個人として付き合うと、そんな考えを持っている人は意外といない。それに俳優は“ほかの人になる”仕事だから共感力もある。お互いサポートし合い、情報交換をするつながりができたことは大きいわね」

 多忙の合間を縫って、活動のミーティングに出席している。

「仕事と母親業と活動を両立するのはものすごく大変よ。だから何世紀もの間、物事が変わらなかったんだ、と合点もいく。でもいま、それをやらなきゃいけない時期だとわかっている。振り返って『私はあの運動に参加した』と言えるようにいたいし、なにより娘のために、よりよい社会をつくっていきたい。それが一番のモチベーションね」

 今回はプライベートも兼ねての来日。京都や松本に行ったという。涼やかなパンツスタイルにかごバッグが最高にキュートだった。

「日本でのんびりしてる場合じゃないわ! 早く帰って仕事をしなきゃ(笑)」

(ライター・中村千晶)

週刊朝日 2018年6月8日号