ルイ王子を報道陣らにお披露目するウィリアム王子とキャサリン妃(c)朝日新聞社
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シャーロット王女を連れて退院するキャサリン妃と、出産に付き添ったウィリアム王子(c)朝日新聞社
シャーロット王女を連れて退院するキャサリン妃と、出産に付き添ったウィリアム王子(c)朝日新聞社

 いくらウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルベイビー人気がすさまじいといっても、3人目である。2013年のジョージ王子、2015年のシャーロット王女に比べて、注目度は低いと予想していた。しかし、ロンドンのパディングトン駅に降りた時からなにやら雰囲気が騒然としている。セントメアリー病院の特別産科棟の前に着いた時には、無数に並ぶメディアのカメラや忙しく行き来する警官の姿が目に飛び込んできた。スマホ片手のロイヤルファンも、“その時”のために場所取りに走る。前の2回の出産時よりも集まった人の数は多い印象だった。

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 キャサリン妃は、前回よりさらに短い産後7時間で退院した。ルイ王子をいとおしそうに見つめてはウィリアム王子と笑みを交わしている。またしても「チーム・ケイト」が結集、ヘアーには一本の乱れもなく、ダイアナ妃へのオマージュである赤いドレスもよく似合っていた。もっとも驚いたのは、10センチはあるヒール姿であったことだ。今回もウィリアム王子が背中にやさしく手を当てて守っていたものの、出産後はしばらく立つこともできなかった自分の経験を思い出せば、人間技とは思えなかった。

 しかし、今回の主役はシャーロット王女だったと言われている。彼女はジョージ王子がトーマス・バタシー校から下校するのを待って、一緒に弟に会いに病院にやって来た。車から降りるとウィリアム王子と右手をつないで、玄関へと向かう。その時の王女のとっさの動作に人々は眼を見張った。シャイなジョージ王子は終始うつむき加減で、カメラの方を見ることができない。しかし王女はしっかりと顔をあげて視線を合わせたばかりでなく、左手をごく自然に上げたのである。手の位置は高すぎず低すぎず、完ぺきだった。さらに、階段では父と兄が前だけ向いて進むなか、彼女は振り返ってもう一度品よく手を振ったのであった。王女はかつて「かわいそうに、90歳を超えたエリザベス女王にそっくり」などと言われたことがあった。しかし、威厳に満ちた眼差しや柔らかく閉じた口元などは、将来は大物との確信を抱かせた。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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