安倍首相、文在寅韓国大統領(c)朝日新聞社
安倍首相、文在寅韓国大統領(c)朝日新聞社
習近平、トランプ両氏(c)朝日新聞社
習近平、トランプ両氏(c)朝日新聞社
国際オリンピック委員会のバッハ会長と金正恩氏(c)朝日新聞社
国際オリンピック委員会のバッハ会長と金正恩氏(c)朝日新聞社
北朝鮮の美女軍団(c)朝日新聞社
北朝鮮の美女軍団(c)朝日新聞社

 金正恩氏が巧みな外交手腕を発揮している。昨年末まで核実験や弾道ミサイル発射実験で関係国を敵に回し、一触即発だった。だが、平昌五輪でのほほえみ外交でまさかの大逆転。電光石火の如く南北、米朝会談を決め、中国の後ろ盾も取り付け、東京五輪参加まで表明。取り残された安倍首相は……。

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 11年ぶりの南北首脳会談は4月27日、米国と史上初の首脳会談は5月末までに開催される予定だが、日本は一連の流れに一切、関わることができず、置いてきぼりをくらっている。

 東京新聞の論説委員、五味洋治氏は金正恩氏が平昌五輪に実妹の与正氏を送り込んだ作戦をこう解説する。

北朝鮮が練りに練って考えたのが、妊娠中である妹を送り込む大胆な策です。普通はしないでしょう。韓国側は彼女を送ってくることにびっくりしました。北朝鮮側はこれが韓国で驚かれると予想し、大物を送った上で準南北首脳会談をした。文在寅大統領も喜び、与正氏の虜になっていました」

 妹を介して南北首脳会談を打診し、最終的には南北首脳会談の合意だけでなく、米朝首脳会談まで結びつけた。さらに、関係が悪化していたとはいえ後ろ盾である中国の顔を立てるために、電撃訪中してみせた。

 また、五味氏は正恩氏の見栄えの変化も指摘する。「正恩氏は融和のメッセージを出すときは背広を着ます。訪中の際も背広かなと思っていましたが、人民服でした。建国の父である祖父・金日成や父・金正日も、民族の代表服である人民服で会談に臨んでいたので、そこは踏襲したんでしょうが、彼の着た人民服はよく見るとストライプが入っていて、自分なりの思い切ったオシャレをしているようにも見えます。一説には与正氏がスタイリストをしているとも言われています」

 いつのころからかメガネをかけ始めており、知的な雰囲気を演出しようとしているのかもしれない。

 また正恩氏の妻・李雪主夫人も最近では外交の表舞台に登場し始めた。訪中の際には、雪主氏が各場面で笑顔を見せ、雰囲気を和らげたという。

 習近平国家主席の妻・彭麗媛夫人と交流した際には、中国のインターネット上で雪主氏のファッションが注目され「習近平夫人よりオシャレ」と話題になり、一時SNS上で「李雪主」が削除対象の言葉になるほどだった。

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