日本初のインド料理店「ナイルレストラン」オーナーのナイルさんと妻の満子さん。かつて支店が池袋や恵比寿にあり、手分けして飛び回っていたという二人。20年前に大変な事件があったというが……。
※「日本初のインド料理店「ナイルレストラン」経営者家族の波乱万丈人生」よりつづく
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妻:私は高校を出た後、商事会社に勤めていたんです。そのあとも何回か転職をして、結婚後も数年は、お勤めしてました。
夫:夫婦で店をもり立てようということになって彼女は会社を退職。そこからの僕ら二人は、それはもう、一心同体だった!
妻:え? そうかなあ(笑)。
夫:え? 違うの?
妻:当時は支店が池袋や恵比寿にあってね。
夫:手分けして飛び回って。必死だったね。
妻:ホントによく働いた。
夫:夜の六本木で落ち合って、帰る前にラーメン屋で僕は日本酒をぐっと飲んで、ラーメンすすって。
妻:深夜で寝る前だから、あんまりラーメンはうれしくなかったんだけど……。
夫:でもいい思い出だろ?
妻:それはそうね。
夫:大変だったけど、楽しかった。今から20年ぐらい前に大変な事件もあった。
妻:店が火事で焼けたんですよ。
夫:午後の3時過ぎだったかな。テレビが取材で収録に来てたの。わーっとにぎやかにやってたら、ふと、変なにおいがした。
妻:よく気が付いたわね。
夫:カメラを止めてもらって外へ出てみたら、屋根からほんの一筋、細い煙が立ちのぼっていた。すぐに火があるはずのない場所だとわかって「119番!」。
妻:私は家にいてガーデニングをしていたんです。連絡を受けて駆け付けたら、まだ鎮火してなかった。この人すごい、と思ったのはね、すでに経理士と弁護士を呼び出してたの。
夫:消防を呼んだら、みんなは大げさだって言った。でも、そのおかげで誰一人ケガもせずに済んだ。
妻:それは本当に不幸中の幸いでしたね。
夫:うちが火元ではなかったものの、店はほぼ全焼。もう僕は膝が震えて力が入らない。そんなときのこの人はすごかった。
妻:おほほ。