日本の韓流ドラマシーンが再び活気づいている。有料放送では視聴者獲得のキラーコンテンツと化し、内容が充実。動画配信サイトも参入し、K−POP人気が後押しして若い世代をも魅了する。韓流ドラマの“進化”の秘密に迫った。
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「夫と子供を送り出して一息ついて、家事を始める前の日課です」(60代女性)
女性が楽しみにしているのは、朝鮮王朝建国のために立ちあがった6人の英雄を描く「六龍が飛ぶ」(全65話)。テレビ東京「韓流プレミア」(平日8時15分~)枠で放送中の時代劇だ。この枠は2012年に開始。良質な長編時代劇を数多く放送し、「韓ドラ時代劇ファンのアイコン」と呼ばれるほどの人気を誇る。
「DVD供給会社にとっても“神”枠。毎回、争奪戦です」(業界関係者)
日韓関係が冷え込むとともに地上波ではめっきり見る機会が減った韓流ドラマ。ブームは「完全終了」と言われてきたが、ファンが消えたわけではなかった。中高年を中心に支持は厚く、俳優のファンミーティングは盛況だ。BS、CSの有料チャンネルでは、キラーコンテンツの一つ。「むしろ、地上波で見られなくなった分、新規契約者はコンスタントに増えている」というのは、BSチャンネルの関係者だ。
さらに、近頃はスマホやタブレット端末などで視聴可能な動画配信サイトも、韓流ドラマの買い付けに乗り出した。AbemaTVでは「韓流・華流ドラマ」「K WORLD」の2チャンネルを保有し、昔のドラマを掘り起こす。米国のドラマに強いNetflixでも、最新韓流ドラマの独占配信に力を入れている。
このような“新参者”に対抗すべく、既存のメディアも企業努力を怠らない。「日本初放送にこだわって差別化を図っています。日本初の韓国エンタメ専門動画配信サービスMnet Smartというオンデマンドサービスも始めた。多様な視聴形態を展開して、ニーズに応えたい」
と韓国専門チャンネル「Mnet」を運営する「CJ E&M Japan」マーケティング部の仁平真弓さんは語る。