そんなわけで、今週は日本における『鉄板モノマネコンテンツ』の未来を想像してみようと思います。ぼちぼち21世紀生まれの世代も社会に出てくる昨今、少し寂しいですがミスターや角栄は通じなくなる時代はすぐそこです。しかしながら、その代わりにイチローや羽生くんをやるにしても、彼らの喋りは余りにもロジカル過ぎますし、角栄→小泉ときて、安倍首相のモノマネなどしようものなら、どこから何を言われるか分かりません。流行語や流行ギャグはたくさん輩出されど、飲み屋でモノマネしたくなる口癖や歌声のロングセラーが生まれ難いのが現状です。しかもハンズやドンキに行けば、ハロウィンでなくとも人気者のマスクや被り物を安く手に入れられる時代に、丸腰で桑田佳祐や松山千春に挑む若者なんて今後出てくるでしょうか?
それでも、私はコツコツと次世代コンテンツの収集と分析に日々勤しんでいます。まず、長嶋さんやドラえもんなどの『声色ワンフレーズ系』に是非君臨してほしいのがIKKOさんです。たけしさんの「コマネチ!」や志村さんの「アイーン!」的な『アクション系』ではオードリーの春日さんに期待をしています。森さんや桑田さんなどの『歌声系』で今のところ手堅いのはやはり福山雅治さんではないでしょうか。個人的にはKinKi Kidsの堂本剛さんにも頑張って頂きたいと思っている所存です。10年後のスナックで、酔っ払ったサラリーマンがこぞって剛くんの歌唱法をマネしている光景は間違いなく元気な21世紀の姿です。最後に、誰がやっても確実に笑ってしまうモノマネと言えば今も昔も小林旭ですが、B ’zのモノマネにも同じ文脈の破壊力があることに最近気付いたので記しておきたいと思います。B ’z軍団最高!
※週刊朝日 2018年2月23日号