シンプルなギター、ベースのリフによるオルタナ・センスも加味された「New Pirates」でも“あたたかな歌をうたう ペラペラなこの社会で”“大切なことに 気づくために”と、浅井は自らの意思を明らかにする。
終盤の2曲も充実している。「水滴」は、浅井の語りかけるような穏やかな歌いぶりやソフトなコーラスが印象的。口笛やピアノも登場する。ラストの「すぐそば」では、“間違ってる世界は嫌いだ”“世界を滅茶苦茶にしてるの誰”と嫌悪をむき出しに。“新しい考え まだ誰も気づいてない それを見つければ 世界は変われる”と歌う。
THE INTERCHANGE KILLSというグループ名の由来について“立ち向かっていくこと”“自分たちの音楽の世界を聴いて、何か感じてくれたら……”と語っていた。その背景には、浅井が今の世の中を“ヤバイ”と感じている焦燥感があるようだ。本作ではそれをうかがわせるような詞が随所で顔をのぞかせる。
音楽性の豊かさとともに、浅井がそれぞれの曲に託したメッセージを見逃せない。(音楽評論家・小倉エージ)
●『Sugar』初回生産限定盤CD+DVD(アリオラ BVCL-862~863)
●同通常盤CD(同 BVCL-864)
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