「最近では、白内障や認知症、骨粗しょう症、ひざ関節症との関連も指摘されています。アルツハイマー病の患者さんの脳にはシミ状のタンパク“老人斑”ができますが、そこにも大量に含まれていることがわかっています」(同)
体のコゲからわが身を守るには、やはり食事の見直しが必要。「AGEを多く含む食品を避ける」「原因となる糖質や炭水化物を減らす」ことが大切だ。
「食品からとったAGEはすべて体内に吸収されるわけではなく、9割以上はそのまま排せつされます。残りの1割程度が消化吸収されて体に蓄積し、全身に影響を及ぼしますので、AGEが少ないものを選んだほうがいいのです」(同)
AGEは食材に熱を加えることで発生するという。例えば、さけは刺し身とフライとでは約2.7倍含有量が異なる。スモークサーモンは刺し身とほぼ同じレベルだ。
「同じ食材なら、生のものや低温で料理するか、加熱時間が短いものがいい。作り置きはAGEを増やすので、作り立てのものを食べましょう。AGEを減らす酢を調味料として多用してもいいと思います」(同)
理想は、刺し身やしゃぶしゃぶ、酢のものかサラダ、主食はAGEが少ないごはん、というところだろう。飲みものは、緑茶か白ワイン、赤ワインを。血糖値スパイクを強める清涼飲料水などはNG。食べるときは、<野菜のおかず→肉や魚、卵のおかず→米やめん、パン>という順で食べる。食後のデザートは残念ながら×。“疲れたときに甘いもの”にも注意が必要だ。
「糖質をとると集中力が高まり、疲れがとれると思い込んでいます。確かに、甘いものを食べると一瞬、幸せな気分になります。しかし、その後インスリンというホルモンが一気に出て、急激に血糖値を下げてしまう。低血糖状態をもたらすのです」(同)
では、疲れて甘いものが欲しくなったらどうしたらいいのだろうか。
「“ガマンする”しかありませんね(笑)。しばらくすると、甘いものが欲しくなくなります」(同)
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2018年2月2日号