衆院本会議で施政方針演説をする安倍晋三首相 (c)朝日新聞社
衆院本会議で施政方針演説をする安倍晋三首相 (c)朝日新聞社
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ICANのベアトリス・フィン事務局長 (c)朝日新聞社
ICANのベアトリス・フィン事務局長 (c)朝日新聞社

 衆院本会議で22日、施政方針演説を行った安倍晋三首相。「働き方改革」、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する防衛力強化の方針を示した上で、国会の憲法審査会で改憲案の議論を深めるよう与野党に促した。安倍首相は自民党内で「結党以来、党是として掲げてきた。実現する時を迎えている」などとも述べ、2020年の施行へ強い自信をのぞかせた。会期は6月20日までの150日間。

【写真】面会を断られたICANのフィン事務局長

 だが、そんな中、国際社会から誤解を招きかねない首相の“塩対応”が話題になっている。

 ノーベル平和賞を受賞したNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のベアトリス・フィン事務局長が1月12日~18日に来日したが、安倍首相は「日程の都合」を理由に、打診されていた面会を断ったのだ。

 確かに、安倍首相は1月12日から17日までの日程で東欧やバルト三国を歴訪していた。だが、首相動静によると、17日夕に帰国した後は17時から都内で茶道の表千家の「初釜式」に母の洋子さんや弟の岸信夫衆院議員らとともに出席。19時過ぎには、早々に富ヶ谷の自宅に戻っている。面会しなかったのは、本当に日程のせいだったのか。ICAN国際運営委員でピースボート共同代表の川崎哲(あきら)氏がこう語る。

「フタを開けてみればお茶会に出席していたわけで、まったく時間がとれなかったはずはないと思います。ノーベル賞の授賞式があったノルウェーやフィン氏の出身地のスウェーデンでは、国としては核兵器禁止条約に署名していないにもかかわらず首相が面会に応じ、様々な意見交換をすることができました。日本政府の対応は、首相ご本人の判断だったのか、周囲のお役人が資料をつくるのを面倒だと思ったのか……どこかで市民団体やNGOを軽く見ているのではないかと感じてしまいます」

 川崎氏はフィン氏の日本での日程調整を担当したが、政府との交渉では不可解な点が多かったのだという。一連の経緯をこう語る。

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