
平成30年の間で、買い物の傾向はどのような変遷をたどったのか。「大衆の消費行動は激動の時代だった」と語るのは、博報堂買物研究所上席研究員の山本泰士さんだ。
買い物傾向は大きく三つの時期に分けられるという。平成初期はバブル期を切り離しては考えられない。山本さんは昭和から平成にまたいだ1980年代から95年ごろまでを「あこがれる買い物」の時代と評する。
「海外から来た商品をみんなが憧れて消費していた時代ですね。ナタデココとかティラミス、イタリアンファッションの紺ブレなどが例に挙げられます」
山本さんによれば、70年代までは「そろえる買い物」の時代で、カラーテレビやマイカーなど、いわゆる中流生活を送るための商品に買い物の重点が置かれていた。バブル期が到来すると消費の志向は変わり、横に倣って流行に飛びついた。91年にバブル経済は終わりを迎えるが、高揚感は数年続いた。