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若手の注目シンガー、グレッチェン・パラート
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重い扉を開くと、地下にはジャズ・ワールドが広がっている
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現代ビッグバンドの最高峰、マリア・シュナイダー・オーケストラ
現代ビッグバンドの最高峰、マリア・シュナイダー・オーケストラ

 ニューヨークのジャズ・クラブで食事でもと聞かれると、別のところで済ませてから行った方がよいですよ、と言った方が無難なのは事実なのだが、ここ「ジャズ・スタンダード」は、一度食べてみてもよいのではと言える数少ないヴェニューだ。90年代の終わりにオープン、ジャズ・クラブの経営が難しいと言われるキップス・ベイ・エリアで健闘していたが、一度クローズした。2000年代に入ってグラマシー・タヴァーンや、ユニオン・スクェア・カフェで大成功を収めたレストラン業界の大立て者、ダニー・メイヤーが買収。1階がメイヤーの故郷の味、セント・ルイス・スタイルのBBQリブが名物のブルー・スモーク・レストラン、地階がジャズ・スタンダードとして復活した。ジャズ・スタンダードでも、ブルー・スモークと同じメニューがサーヴされ、食事も楽しめる。セント・ルイス、カンサス・シティなどの味付けの違うリブのセットと、オリジナル・ビールのブルースモーク・エールのコンビネーションは、ニューヨークにいながら、中西部のテイストを堪能できる。

 もちろん音楽も、スペア・リブに負けずに充実している。毎週月曜日は、チャールス・ミンガス(b)の未亡人のスー・ミンガスがオーガナイズしていて、2010年度のグラミー賞ラージ・ジャズ・アンサンブル部門を受賞した、ミンガス・オーケストラが出演している。メンバーの集まりが少ないと、ラージ・コンボのミンガス・ダイナシティになってしまうのは、ご愛敬だが、ミンガスの熱いスピリットを今に伝える、グループは濃厚なテイストを誇っている。また、11月の第3週のサンクス・ギヴィング・ウィーク(アメリカの休日、感謝祭週間)には、ニューヨークの最先端のビッグバンド、マリア・シュナイダー・オーケストラが毎年出演し、新曲を披露している。今のニューヨークを反映したカッティング・エッジな若手から、ストレート・アヘッド・ジャズの大ヴェテランまで、多彩なラインナップを誇っている。

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■Jazz Standard(ジャズ・スタンダード)
116 East 27th Street ( Bt, Park & Lex Ave.)
New York, NY 10016
http://www.jazzstandard.net/
tel. 212.576-2232(要予約)
6:30PM~11:30PM(~1:00AM、金、土)ライヴは7:30PM、9:30PMの2セット、金、土は11:30PMの3セット