だが、日韓関係が冷え込むと同時に、韓流ブームが下火となったのは、読者もご承知のとおりだ。
そして、今、K−POPの人気が10代、20代の若い女性を中心に過熱している。それが、ドラマにも波及しているという。
「今は、時代劇でもK−POPグループメンバーが出演するポップな作品が多い。好きなメンバーが出てるなら見てみようとなりますよね。それをきっかけにライト層を取り込めました」
昨年のTSUTAYAアジアTVドラマ年間レンタルランキングにもそれが表れている。例えば、2位は「麗〈レイ〉~花萌ゆる8人の皇子たち~」。時代劇だが8人のイケメンたちが登場するラブコメ。人気アイドルグループ「EXO」のベクヒョンが出演している。3位は「雲が描いた月明り」。主演のパク・ボゴムの恋のライバルをアイドルグループ「B1A4」のジニョンが演じた。11位は「花郎〈ファラン〉」。今を時めく「BTS(防弾少年団)」のVと、日本でも人気の高い「SHINee」のミンホが出演した。
「アイドルが出演しているキラキラしたラブコメや王道ラブストーリーはお母さんと娘さんで見ている傾向があります。母親が借りてきたDVDを、自分も見るという若い人が多いのです」
「母娘」の心をつかむというのは、「東方神起」の人気に火が付いたときと似ている。これは、エンタメの黄金パターンといえそうだ。
K−POP人気だけが要因ではない。
本格的な時代劇作品に、男性も満足したようだ。例えば、「師任堂(サイムダン)、色の日記」は、韓国の5万ウオン札に印刷されている朝鮮時代の女流画家「師任堂」の人生を描いた作品。師任堂を演じたのは、世界的にヒットした「チャングム」で主演を務めたイ・ヨンエで、13年ぶりのドラマカムバックだった。
ほかにも、19世紀の行商を題材にした“ザ・時代劇”といえる「客主」や、14世紀の建国の英雄6人の物語「六龍が飛ぶ」なども人気だったという。