謝罪に訪れたクラーク大佐。だがCH53Eはすでに飛行を再開 (c)朝日新聞社
謝罪に訪れたクラーク大佐。だがCH53Eはすでに飛行を再開 (c)朝日新聞社

 米軍による事件・事故が相次ぐ沖縄。被害を受けてきた県民に対し、悪質な嫌がらせが追い打ちをかけている。

 宜野湾市の普天間飛行場の近くにある保育園に、米軍ヘリの部品が落下したと思われる事故が起きたのは12月7日のこと。翌日、米軍は大型ヘリCH53Eの部品だと認めながら、「飛行中の機体から落下した可能性は低い」との見解を示した。以降、保育園に「自作自演だ」などと中傷する電話やメールが殺到した。

 同様のことが、米軍ヘリの窓が落下して児童1人が軽傷を負った普天間第二小学校でも起きた。13日の事故発生から20日までに28件の誹謗中傷の電話があった。

「やらせだろ」「学校が後からできたんだから、子どもの身に何があってもいいじゃないか」などと理不尽な言葉が投げつけられた。

 宜野湾市教育委員会の幹部が悔しそうに語る。

「市教委にもやはり『学校が移転すればいいじゃないか』という電話があり、『土地がありません』と説明すると、『住宅地を潰せ』と言う。戦時中、市の中心部に普天間飛行場を造られ、狭隘な市街地にまとまった土地は現在の場所しかなかったのです」

次のページ