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2007年のステージ、体調不良の大ヴェテラン、アビー・リンカーン(vo)の代役のサプライズ・ゲストは、カサンドラ・ウィルソンだった
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アフロ・アメリカンの故郷の味、ソウル・フードの屋台も並ぶ
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ジャマイカの革命闘士の名を冠したマーカス・ガーヴェイ・パークに集まって盛り上がる、ハーレム・コミュニティの人々
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 セントラル・パーク・サマーステージ、セレブレイト・ブルックリン!、リンカーン・センター・アウト・オブ・ドアーズ、そして前回紹介したジャズ・モービルと、ニューヨークの夏を彩る野外コンサートも、いよいよ8月の半ば過ぎには、佳境を迎える。その最後を締めくくるのは、毎年8月の最終週末に、ビバップの革命児、チャーリー・パーカー(as)の誕生日(実際には8月29日)を祝福して開催される、チャーリー・パーカー・ジャズ・フェスティヴァルだ。

 2011年には、19回目を迎えハーレムのマーカス・ガーヴェイ・パークと、イースト・ヴィレッジで、ランドマークになっているチャーリー・パーカーが50年代に暮らしたアパートの向かいにあるトンプキンス・スクェア・パークを舞台に2日間で、8つのグループが出演する。登場するミュージシャンは、毎年パーカーと共演歴のあるヴェテランから、直接パーカーの薫陶を受けた世代、中堅、若手と、ヴァラエティに富んだラインナップを揃えている。2011年も、50年代にパーカーとギターで共演している、ハーモニカの吟遊詩人、トゥーツ・シールマンス、アヴァンギャルドのアーチー・シェップ(ts)から、現代の管豪ジェイムス・カーター(ts,bs,ss)、注目の若手ジェラルド・クレイトン(p)らが出演する。ジャズ・モービルと同じく無料だが、両公園にはバンド・シェル(舞台)があり、席も用意されている。2日間通うとアフロ・アメリカン・コミュニティのハーレムと、国際色豊かなボヘミアンが集うイースト・ヴィレッジの、雰囲気の違いを感じながら音楽を楽しむことも出来るだろう。このフェスティバルがの翌週末のレイバー・デイ(労働者記念日)で、アメリカの夏は終わりを告げる。夏の間、ヨーロッパや日本にツアーに出ていたミュージシャン達も戻ってきて、いよいよ秋のコンサート・シーズンの幕開けだ。

■8月の最終週末に、土曜日は、ハーレムのマーカス・ガーヴェイ公園(Marcus Garvey Park 120th St. ~126th St. Bt. Malcom X Blvd. & Park Ave.)と、日曜日にイースト・ヴィレッジのトンプキンス・スクエア公園(Tompkins Square Park, E 7th St.~E 10th St. Bt. Ave. A & Ave. B)で、開催される。スケジュールは下記サイトで、要確認。
http://www.summerstage.org/charlie_parker_jazz_festival.html