室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
この記事の写真をすべて見る
(c)小田原ドラゴン
(c)小田原ドラゴン

 北朝鮮の核・ミサイル問題で緊迫化する米朝関係。作家・室井佑月氏は、有事の際に日本が戦争に巻き込まれるのではないかと危惧する。

【イラストはこちら】

*  *  *
 
 安倍首相は安保法制の国会審議で、「この国が米国の戦争に巻き込まれることは、絶対にありません」。そういった。

 今、もう一度、おなじことをいえるんだろうか? ま、いうだけなら簡単にいえるわな。嘘をつくことを、なんとも思わない方だから。こっちももう一度そういわれたところで、心から安心できるわけもない。

 トランプ米大統領が来日する前、米FOXニュースで語ったことが、どうしてこの国では大ニュースにならないのだろうか?

 トランプさんはこういったんだ。

「日本は武士の国だ。私は中国にも、それ以外に聞いている皆にも言っておく。北朝鮮とこのような事態が続くのを放置していると、日本との間で大問題を抱えることになるだろう」と。

 まさか、日本は誇り高い武士の国であると褒められたという、リップサービス程度の受け取りだとか?

 トランプ大統領は中国に、いうことを聞かないと、自分に忠実な安倍をけしかけてやるぞ、と脅しをかけたように思うのだが。

 暴言王のトランプ大統領のいうことだもの、笑って聞き流しときゃいい、って感じなのかしら?

 ほんとに笑って聞き流せることなのか?

 アメリカと北朝鮮。各国が心配をし「対話を」と呼びかける中、「圧力を」といいつづけるトランプ大統領。圧力の行き着く先は、軍事行動なんじゃないのか? 戦争になる。

次のページ