

西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、秋季キャンプの日程を延ばすべきだと指摘する。
【日本シリーズで3連敗から粘ったDeNAの立役者となった新人浜口】
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日本シリーズはソフトバンクの4勝2敗という結果に終わった。結果以上に、みんなが感じたのはDeNAの頑張りだったのではないかな。3連敗した時は、跳ね返すのは相当難しく見えたけど、そうじゃなかった。立役者は第4戦先発の新人・浜口。八回途中まで無安打無得点の快投。「いける」という空気を作り上げたよね。
指揮官のラミレス監督も常に前を向いていた。ブレない姿勢をナインも感じ取ったはずだ。クライマックスシリーズから先発の今永らを中継ぎに回すなど、起用法が注目されたが、一番肝心なのは、指揮官がブレないことだ。優勝経験もない、ましてや日本シリーズを戦ったことすらない選手たち。レギュラーシーズンを戦い抜いた選手を信じる心、そして采配にも一切の迷いがないこと、その姿勢は敗戦を重ねるごとに重圧が増す短期決戦で、何よりの支えとなったはずだ。
3連敗からの逆襲には、ただ勝つだけではないきっかけが必要になる。それを浜口が作り上げたね。そこから2勝して、福岡に移動した第6戦までリードをした。パ・リーグの絶対的王者を追い詰めた戦いは素晴らしかった。守備のミスも出たけど、今後の糧にすればいい。ミスを減らすことばかりを考えれば、勢いや意外性は失われるから、選手個々がオフの間にその線引きを明確にしてほしいが、たった6試合だったけど、レギュラーシーズンでは体験できないことを学んだ選手らは、さらにたくましくなるはずだ。