大和証券は品ぞろえの豊富さを誇る。三つあるうちのプレミアムは最低契約金額は高いが、投資方針が違う最大五つの運用口に分けた運用が可能という。
「安全運用したいお金もあれば、夫婦での世界一周など夢のためのお金もありますから」(ラップ・ファンドビジネス部)
またオンラインはネットだけで完結し、顧客が楽しめるよう様々な仕掛けがあるという。
一方、SMBC日興証券は、運用ファンドの選定を世界有数の金融グループ、エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・グループにゆだねている。
「日本には存在しない投資戦略や、ロスチャイルドでしか買えない投信での運用が経験できる」(投資顧問事業部)
三井住友信託銀行は、安定運用をめざしてヘッジファンドを活用している。年金運用での実績から、企業年金などで使うファンドも採り入れている。多様なサービスを誇り、例えば前述のプロフィットロックは三井住友信託が初めて行ったものだ。10月からは、長期保有の手数料をさらに引き下げる新サービスを始めた。
三井住友信託が言うように、年金運用のノウハウや機関投資家向けのサービスを個人ベースで使えることもメリットだ。先の篠田ファンドアナリストは、
「個人ではできない運用で、それに手数料を払えるかどうかがポイントになります」
と言う。さらに最近、商品提供のプレーヤーが増えている点も指摘する。
「銀行や証券会社だけでなく、ここ数年はロボ・アドバイザーを使ってネット証券などがこの分野に進出してきています。『お任せ運用』の選択肢は増えていますが、銀行と証券会社で客層が違うように、リアルとネットでも客層が違います。ネットとリアルで二極化が進むのは間違いありません」
日本人の貯金好きは有名だ。金融資産1800兆円のうち、約半分がほとんど利息のつかない預貯金に眠っている。しかし、資産形成には運用が欠かせず、一定のお金を移動させることは国の政策にもかなっている。ファンドラップでも、個人資産の取り込み競争が激しくなりそうだ。(本誌・首藤由之)
※週刊朝日 2017年11月10日号