衆院選を間近に控え、前原誠司・民進党代表が作家・林真理子さんと対談を行ないました。対談は9月21日。山尾志桜里氏の幹事長人事の撤回や、野党連携への思いなど、マリコさんが本音に迫りました。対談後の28日、前原代表は小池百合子・東京都知事の「希望の党」への事実上の合流を決定。急転直下の展開となったのでした。
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林:すごく怖いですよ。北朝鮮問題がこんなに緊迫しているときに突然、解散総選挙して、「国民の支持をもらった。私が思ったとおりにやらせてもらう」ということになると。
前原:「北」に圧力をかけると主張するだけで本当に十分なのか。安倍さんはプーチン大統領と20回近く会ってますから、仲がいいんでしょう? だけど、北朝鮮問題でプーチン大統領は横を向いちゃってる。彼を中に引き入れる外交努力をしないまま「圧力、圧力」と言っても、効果は出ない。そういう点を指摘しながら、「もっと頑張れ」と言ってあげたほうがいいと思いますけどね。
林:「もっと頑張れ」と応援するわけですか。
前原:「北」の問題を与党・野党の対立事案に持ってくるほうがおかしいと思います。外交ができるのは与党ですから、「われわれは全面的に政府に協力します。しっかり交渉してください」ということですね。
林:昔の民主党は清廉さがウリで、ビジュアル的にも若々しくてすてきな方が多いのが魅力でした。その民主党が一度政権をとったら、運の悪いことに東日本大震災が起こり、多くの国民が失望して、まだ尾を引いていると思うんです。今度の選挙もタイミングが悪いというか……。
前原:解散権は総理にありますので、恨み節を言っても仕方がありません。われわれがどう転換していけるか、それがポイントです。
林:山尾さん、選挙には立つ意向みたいですが、民進党としては別の人を立てなきゃいけないわけですか。
前原:彼女の考え方は、われわれと一緒です。「考え方が違う」と党を出ていった人たちの選挙区には対抗馬擁立も考えなくてはなりませんが、彼女の離党理由はまったく別。待機児童問題などで党を引っ張ってくれた面もありますし、彼女の選挙区に別の人を立てるということは、私個人としては考えてないです。
林:山尾さん、ほんとによかったのになあ。頭いいし、きれいだし、出てきたときから「いいなあ」と思ってたんですよ。いまさら言ってもせんないことですけど。
前原:だからこそ幹事長まで考えたんですけどね。