「FREEWAY/FREEWAY」(NEW BORN)
「FREEWAY/FREEWAY」(NEW BORN)

 連載している某音楽誌でも同様のテーマで草稿した。それはつまり先月から今月にかけてレコードを大量に購入したことを意味します。

 考えてみると小さい頃から変わらないルーティンなので笑っちゃいますけど新しいレコードを買ったらみんなに聴かせたい。もの凄い高額盤なので少しだけ自慢してもバチは当たらないだろうという、いずれにしても中学生並みの思考です。

 でも自身のWEBなどでレア盤を紹介しているコレクターの方々もそんなもんじゃないかな。勉強にこそなれ、ちっとも嫌みに見えないのは同士の証などと言ってみます。

 今回紹介するアナログ、そういえば他の執筆人の方々が紹介するジャズはみなさん「CD」ですね。中学生の境地をとっくに経て、せっかくなら記事を読んで下さるみなさんが手に取りやすいものを、とのご配慮でしょう。ぼくがそこまで柔和で寛大な姿勢に達するのは果たしていつになることやら……。そんな『オレの新譜』がこれです。

 「FREEWAY/FREEWAY」(NEW BORN) このカナダはブリティッシュ・コロンビア州バーナビーに所在したインディ・レーベルからのリリース。ハリウッドのスタジオで録音された、という以外のデータ記載がないけれども音の質感から察するに81年頃の録音だろうか。主流派などとはほど遠くおおよそジャズ的なニュアンスを感じるのは編成とかコード感覚か。知的にシンコペーションしたリズム隊が救いといえば救い。当時のR&Bにアーベインな雰囲気をプラス、意外に達者な混合ツインボーカルと「案外まともじゃん」との声も聞こえてきそうですが、ぼくはエレキベースが苦手。特にファンク系のゴリっとした音にアレルギーに近いものを持っている。

 一体何が言いたいんだ。仰る通り。それはたった1曲ですが10年に一度出会えるかどうかの奇跡の名曲が収録されているのです。フリーソウル全盛の10年前なら確実にフロアの金看板にして必ず正規再発CD化されていたであろう。バンド名/アルバム・タイトルにも冠しているがそれで、ヴィヴラフォンのソロ演奏からのオープニングにガツっと鷲掴まれ女性ボーカルのブリッジ部が導入されるのですが、日本人好みの哀愁あるメロディがとにかく良い。ランニングするエレキベースはやシンセドラムのタムは愛嬌として、それでも録音の良さも手伝ってか、普段ジャズなどは流れない大箱のクラブ(1000人規模)でプレイした時でも綺麗に調和した。

 10人以上から問い合わせが殺到した。リリース時期のせいもあるけれどパッとしないジャケットや裏ジャケットの意味不明なドジャース押し、フュージョン志向、エレキなど(自分の好みでない)マイナス要素を補っても余有る曲の完成度。最近こういうレコード、中々発掘できなかったなぁ。相変わらず福島に根を張って啓発を続ける件(前掲載回を参照下さい)のレコード店主に感謝。ただ、これがジャズか、といわれると困るな。