ちなみに私は午後9時半に就寝、午前3時に起床です。睡眠時間は5時間半なのですが、すでに81歳なので、調査の平均睡眠時間と一致しています。
午前3時に起きて、原稿の執筆や校正にとりかかりますが、この時間は実に仕事がはかどります。朝8時半からの診療開始の前に、様々な個人的な仕事をこなしておかないと、診療が終わる午後6時から晩酌をスタートできません。ですからこの時間は重要なんです。
ところが、外来で診療していると、途中で睡魔におそわれることがあります。そういう時は迷わず5分ほど昼寝をします。すると、じつに壮快な身心が蘇ってくるのです。
実は益軒先生は「昼は必(かならず)臥(ふ)すべからず。大(おおい)に元気をそこなふ」(巻第二の5)と昼寝も禁止しています。
ただ、さすが益軒先生、こう続くのです。「もし大につかれたらば、うしろによりかかりてねぶるべし。もし臥さば、かたはらに人をおきて、少(すこし)ねぶるべし」(同)。つまり、少しだけの昼寝はいいというのです。
ちなみに私は、外来の机の上に足を乗せて、パッと寝ます。これなら益軒先生も許してくれるでしょう。
※週刊朝日 2017年9月22日号