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プロゴルファーの丸山茂樹氏が、松山英樹選手の優勝で幕を閉じた米PGAツアーの世界選手権シリーズ最終戦から、最新のゴルフ事情を語る。
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いやあ、圧巻でした。松山英樹(25)が米PGAツアーの世界選手権シリーズ最終戦「ブリヂストン招待」(8月3~6日、米オハイオ州アクロンのファイヤーストーンCC)で逆転優勝を飾りました。2011年にアマチュアの大学生としてマスターズに出てから、ちょうど米ツアー100試合目ですか。節目に5勝目なんて、やりますね。
トップに2打差の4位で最終日を迎えました。スタート前のウォーミングアップは最悪だったそうで、出だしの1番でティーショットを左へ曲げたんですが、しっかりリカバー。2番でイーグルを奪うと、もう止まらない。1イーグル、7バーディーの61。13年にタイガー・ウッズ(41)がつくったコースレコードに並びました。
英樹はアイアンの切れ味やショットのクオリティーは抜群ですから、僕はずっと「パットが入りゃ、いつでも勝てますよ」って言ってました。今回はパターをマレットに変えたら調子よくなったみたいで、ポンポン入りましたね。
ファイヤーストーンっていうゴルフ場は7400ヤードでパー70ですから、昔はとんでもない難コースだったんですけど、みんな飛距離が出るようになって、すっかり様子が変わっちゃいましたね。
僕は1999年にここで6位になって、米ツアーのカードがとれた。思い出深い試合なんですよ。タイガーがここでめっぽう強くてね。8勝してるんですよね。毎回異次元のようなゴルフをして、4打差とか7打差とか、そんな勝ち方をしてました。僕なんかは彼の優勝ばっかり見てきたんで、「このコースはタイガー以外は勝てないのかな」と思ったぐらいで。それぐらい周りの選手との差があったんですけど、もはや道具がよくなってすごく飛ぶんで、あのころのタイガーのプレーをみんなができてるって感じです。
完全に空中戦ですよ。飛ばして寄せて、パターが入ったもん勝ち、みたいな。ほとんどのティーショットが300ヤード超えてるっていうね。どんな時代ですかね、ほんとに。ゴルフのだいご味は完全に飛距離になっちゃいました。「パットイズマネー」なんて言われましたけど、もう「ドライバーイズマネー」ですね。
英樹は「いつとんでもないミスが来るのか不安だった」ってコメントしてますね。それぐらいでいいんだと思います。今回は笑顔も出てましたもんね。メジャーのときは100%にこだわりすぎてるんじゃないですか? 完璧な自分に。今回みたいに不安のあった方が逆に神経をつかって、いい方向に向かってるんじゃないかな。あのジャック・ニクラウスでさえ、「完璧なショットは1日に2回しか打てない」と言うのがゴルフです。2回打てたら最高だっていうスポーツです。だからこそ一球一球大事にいって、それがいい方向にいったんじゃないかと思いますけどね。
最後に。僕の長男の奨王(ショーン)(17)が米国選抜と世界選抜の対抗戦「ジュニア・プレジデンツ杯」(9月25~26日)に出場することになりました。
大会の出場メンバーに選ばれたのは、ものすごく光栄なことで、本人も喜んでやる気になってます!
※週刊朝日 2017年9月1日号
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