いきなりアカウント凍結を行うのではなく、一時的に機能を制限することでも効果が見られたという。攻撃的な行為を行うアカウントに対して一時的に機能を制限し、理由を伝えることで、その後の攻撃的な行為に関する報告が25%減少した。制限がかかったアカウントのうちの65%は制限を受けた回数が1度だけだった。つまり、大多数のユーザーはプラットフォーム事業者から「それは利用規約違反ですよ」と警告を受ければ、ある程度は穏健化するということだ。
興味深い事実だが、他方でツイッターはヤフーのコメント欄と同じく、他者への攻撃的投稿を見かねたほかのユーザーが報告しても、「利用規約違反ではない」という理由ではねられるケースも多い。ヤフーにしろ、ツイッターにしろ、極端な投稿への対処こそ進めているが、「グレーゾーン」の攻撃的表現までは手を付けられていないのが実情だ。
グレーゾーンの投稿をどう評価するかは表現の自由とも関わってくる難しい問題だ。だからこそ、プラットフォーム事業者はこうした情報を積極的に開示し、どこからがアウトでどこまでがセーフなのか、外部のNPOなどと連携して、一定のガイドラインを作っていく必要がある。
※週刊朝日 2017年8月18-25号