男性のみなさん、「朝立ち」してますか? 「もう年だし、なくても仕方ない」というのは間違い。50代でも60代でもそれ以上でも、朝立ちは重要です。それはなぜか。復活させるにはどうすればいいのか。人生を力強く生き抜くため、下半身に熱い視線を向けてみましょう。コラムニストの石原壮一郎氏がその秘密に迫った。
「朝立ちかあ。そういえばどうだったっけな……」
なんて思いながら、寝っ転がってボーッとテレビを見ていた54歳の私。近ごろ、体力や記憶力の衰えを実感せずにはいられません。
テレビでは、ひげもじゃのお医者さんが「朝立ち」について熱く語っています。真っ昼間のNHK総合なのに。ふむふむ、なるほど。えっ、そうなの!? いつの間にか画面の前で姿勢を正していました。
私は、朝立ちをなめていたようです。これではいかん。ひげもじゃのお医者さん・熊本悦明先生を訪ね、教えを乞いました。
熊本先生は「日本の男性医学の父」とうたわれる大家で、現在87歳にして現役の医師。札幌医科大学名誉教授や日本メンズヘルス医学会名誉理事長など、数々の肩書をお持ちです。
先生、朝立ちって、やっぱり大事なんですか!?
■「朝立ち」の秘密(1)
男性更年期もうつもメタボも、最初のサインは「朝立ち」がなくなること
「医学的には『モーニング・エレクション』と言いますが、いわゆる『朝立ち』は、孝行息子からのきわめて重要で切実な報告です」
ムスコからの報告! それは聞かないといけませんね。40~50代の朝立ちの有無は、心身のバランスが崩れる男性更年期障害や、それに伴って発症するうつ症状の最初のサインだとか。
「人間は血管とともに老いるといいますが、朝立ちのない人は、血管の健康状態が悪化しています」
人体でいちばん細い動脈はペニスにあり、直径は1~2ミリ。動脈硬化もそこから始まり、やがて心臓や脳の血管へと進んでいくそうです。朝立ちがごぶさただと、糖尿病などのメタボリック症候群の症状が進行している場合もあります。
「やがては、アルツハイマー病やロコモティブシンドローム(運動器症候群)へとつながっていきます」