日課は新聞を読むこと。しかし、自分について報じている記事には関心がなく、目を通さないという、(撮影/朝日新聞社・山本正樹)(c)朝日新聞社
日課は新聞を読むこと。しかし、自分について報じている記事には関心がなく、目を通さないという、(撮影/朝日新聞社・山本正樹)(c)朝日新聞社
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研究用の将棋ソフトを動かすパソコンは家族と共用。そろそろ「新しいパソコンが欲しい」と藤井四段。奥は母親の裕子さん
研究用の将棋ソフトを動かすパソコンは家族と共用。そろそろ「新しいパソコンが欲しい」と藤井四段。奥は母親の裕子さん
小学1年生の時、将棋大会で
小学1年生の時、将棋大会で
幼少時代から通っていた「ふみもと子供将棋教室」で
幼少時代から通っていた「ふみもと子供将棋教室」で

 いま、日本中に巻き起こっている“藤井フィーバー”。しかしそんな騒ぎなど、本人にはどこ吹く風。自宅リビングで、スマホ片手に考えるのは、いったいどんなことだろうか。

【写真】幼少時代の 藤井聡太四段はこちら

 愛知県瀬戸市の自宅。一家だんらんの場となる14畳のリビングダイニングルームに足を踏み入れて、拍子抜けした。この部屋が、快進撃を続ける15歳の「研究室」だった。

「学校から帰った後は、ソファで横になりながら、スマートフォンで公式戦の中継を見ることが多いです。夕食の後はパソコンの前で研究します。一日の将棋の勉強時間は、3時間ぐらいですね」

 棋士が研究する際は、集中するために静かな自室にこもることがほとんどだろう。しかし、史上最年少で将棋の棋士になった逸材は違う。4歳上の兄が音楽をかけることもあるが、お構いなしだという。

 6月、史上単独1位の公式戦29連勝を、デビューから無敗のまま達成するという偉業をやってのけた。将棋そのものの注目度も急上昇しており、各地の将棋教室には、入会の問い合わせが殺到している。

 中学生でプロ入りしたのは史上5人目だが、デビュー早々、ここまでの勝ちっぷりを見せた棋士はいなかった。棋士間でも、「タイトル戦に登場する日は、そう遠くないだろう」と目されている。

 20歳の時の自分のイメージを問うと、しばらく考え込んだ後に、こんな言葉が返ってきた。

「今の自分とは比べものにならないぐらい、強くなっていたいです」

「底知れない」とは、まさにこのことだ。

週刊朝日 2017年7月28日号