しかしこのドラマ、どんどん猫だの十姉妹(じゅうしまつ)だの動物なごみ映像がぶっ込まれるので、「とりあえず面倒くさいこと考えるのはよそう」スイッチがポチッと入る仕組みだ。薄巡査が事件解決の糸口を掴むシーンでは、意味ありげに屋根にとまる雀のカット。3羽のうち1羽だけくちばしが半開き。その雀がズームアップされる。雀を凝視する薄。まさかこの雀に重大な鍵が? と、「雀以外の鳥の声が聞こえます!」って、そっちかーい。くちばし半開き、関係ないのかーい。
だから言ったじゃない、何も考えるなって、そう囁かれてるようなこのドラマ。裏のTBSが韓流ドラマリメークでコッテコテの濃い味な分、あっさりテイストが胃にやさしい。あちらで疲れちゃったら、こちらの可愛い女の子と動物映像で癒やされて、どうぞってなスタンス、案外ニーズがあるかもしれない。
エンディングのダンス映像だって、以前この枠でブレークした「マルモのおきて」のマルモリダンスに比べ、流行らせようという意気込みがさほど感じられないゆるさがある。ただひとつ疑問なのは、タイトルの「いきもの係」をわざわざ平仮名にまでしてるのに、なんで主題歌が「いきものがかり」じゃないのよ。
※週刊朝日 2017年7月28日号