今年はひときわ暑い夏になりそうだ(c)朝日新聞社
今年はひときわ暑い夏になりそうだ(c)朝日新聞社
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 実に125年ぶりの異常事態という。札幌市で7月上旬に4日連続で真夏日を記録したのだ。10日には全国38地点で最高気温が35度以上に。まだ梅雨も明けぬ前から、うだる暑さ。酷暑を乗り切る生活防衛術をお伝えする。

 気象情報会社ウェザーニューズの担当者は、今夏の猛暑をこう解説する。

「中国大陸で気温が高く、その暖気が入りやすい気圧配置が続いていたため、7月になって東日本や北日本で平年よりも気温が高くなっています」

 猛暑に伴って、熱中症患者も急増中だ。

 消防庁によると、7月3~9日の1週間で4241人が救急搬送され、6人が死亡。前週(6月26日~7月2日)の1914人から倍増した。10日には、岩手県の花巻球場で35人が熱中症の症状を訴え、病院に運ばれた。最近は、集団で搬送されるケースも目立っているという。

 熱中症になる人は年30万~40万人で、5万人前後が救急搬送されている。

 厚生労働省の資料から、熱中症による死亡者を集計すると、1996~2005年の10年間は2570人。06~15年には8082人に激増した。

 観測史上最も暑い夏だった10年は、1731人もの死者が出ている。近年の猛暑は、もはや災害と言うべき被害をもたらす。

 今年は5月から暑い日が続いたため、エアコンのスイッチを早くから入れた人も多いだろう。北海道で平年より1.7度、東北と関東甲信地方で1.6度高かった。6月は平年より気温が低かったが、7月になると、上旬から東日本や北日本で平年より1度以上高くなっている。

 8~9月にかけて酷暑となることも確実な状況だ。

 気象庁の3カ月予報(7~9月)を見ると、日本列島は真っ赤に染められている。赤色は平均気温が高くなる可能性が50%以上なことを示している。

 気象庁の予報官が説明する。

「今年は太平洋高気圧の張り出しが強く、日本付近に達します。一方で、大陸からのチベット高気圧も強く張り出し、晴れる日が多く、平年より高い気温が予想されます」(地球環境・海洋部・気候情報課)

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