このため、日本付近は太平洋高気圧とチベット高気圧が例年より強く張り出す“ダブル高気圧”に覆われるという。
ウェザーニューズの担当者は「チベット高気圧は太平洋高気圧より上空にあり、二つの高気圧はぶつからずに本州付近の上空で重なります。背の高い一つの高気圧のようになり、勢力がますます強まる。暑い夏になると思われますが、10年ほどの“スーパー猛暑”にはなりません」と話す。
二つの高気圧の張り出しが重なったタイミングが、猛暑のピークとなる。今夏は2度あり、梅雨明けごろの「7月下旬~8月初め」と「8月下旬~9月上旬」になるという。
ウェザーニューズの担当者はこう指摘する。
「例年なら8月後半以降、太平洋高気圧は徐々に勢力を弱めます。今年は9月になっても勢力を維持し、残暑が厳しくなりそうです。また、高気圧は10日間くらいで強まったり、弱まったりするので、二つのピークの間のお盆に暑さは一段落します。そのかわり、高気圧の谷間に積乱雲が発生しやすくなり、ゲリラ豪雨に要注意です」
同社は、7~9月にゲリラ豪雨が全国で7043回発生するとの予測を発表している。多発した昨年(7498回)と比べると微減すると見ているが、北日本や西日本など5~8割増える地域もある。
一方で、北海道と東北地方の太平洋側や九州・沖縄は、前線や低気圧、湿った空気の影響を受けて晴れる日が少ない時期もある。気温は平年並みか、やや高くなる傾向だという。
昨年の日本の平均気温は平年より0.88度高く、1898年の統計開始以来、最も高かった。世界の平均気温も0.45度高くなり、統計開始以来最高に。太平洋東部の南米沿岸から赤道付近の海面水温が上昇するエルニーニョ現象が起きたことも原因とみられている。