ラストライブのステージに立つ
ラストライブのステージに立つ"ももち"こと嗣永桃子
この記事の写真をすべて見る

 6月30日、18時。"ももち"こと嗣永桃子のラストライブ、「嗣永桃子ラストライブ●ありがとうおとももち●」が幕を開けた。

【写真で見る”ももち”のラストステージ】

 "おとももち"は、"おともだち"のももち流の言い回し。15年前のこの日、ももちが「アイドルとなった日」に合わせた開催だった。

 Berryz工房、Buono!、カントリー・ガールズなどのグループで活躍した、ももち15年間のアイドル活動の集大成でもあるこの日のライブ。

 ステージ上段に現れた巨大な桃の風船が割れ、中からピンクのチェックの衣装に身を包んだ、ももちが、メンバーカラーのピンク一色に染まった8000人のファンの前に登場した。

「まばたきなんて一切せず、全力で楽しんでいきましょう!」

 1曲目の「恋はひっぱりだこ」から、全力でアイドルパフォーマンスを披露するももち。ライブの前半は、「あなたなしでは生きてゆけない」「初恋サイダー」「ピーナッツバタージェリーラブ」など、ももち15年の軌跡を代表曲とともに振り返る構成。日が暮れかけたお台場の空に、ももちの力強く、のびのある高音の歌声が響き渡る。

 その魅力について、音楽評論家の原田和典さんはこう語る。

「音のメリハリのつけ方も、非常にうまい。そして、悲しくせつない曲、ハッピーでコミカルな曲、歌声やパフォーマンスのさじ加減が素晴らしいと思います」

 身長は、「ヒールをはいて158cm」と小柄ながら、大きなステージを全力で駆け回る。

 テレビの世界でも、「許してにゃん」のフレーズなどでのぶりっ子キャラでも人気者だった。

 そんなももちが、わかりやすく「アイドル」のイメージを崩さないまま15年間やってこられた理由は何なのか。

「小学5年生のころ、10歳でアイドルデビューしたころから、ずっとモチベーションが高かった。常に自分の求められる役割がわかっている人で、バラエティでもそれで成功したんだと思います。コミカルな面にひかれてファンになった人は、魅力的な歌声のギャップに驚くでしょうね」(原田さん)

次のページ