例えば、夕方、上司から「翌日に使うプレゼンテーションの資料がまだできていないので、手伝ってほしい」と依頼されたとしよう。だが、この日の夜は大事な予定があるため、定時に帰らなければならない。

 そのとき、上司に対してどう対応すればいいか。「予定があるので、手伝えない」と答えたり、予定をキャンセルして「手伝います」と答えたりするのは、必ずしも適切な自己主張ではない。上司との関係が悪化したり、不平不満がたまったりと、ストレスの元になりかねないからだ。

「これに対し、まずは『それは大変ですね』と共感した上で、自分の状況を説明してほかのやり方ができないか提案するというのが、アサーションになります。具体的には、『今日は大事な予定があるので帰らせていただきたいのですが、明日の朝、少し早めに来て手伝うことはできます。それでもよろしいでしょうか』というふうに答えるわけです」(同)

 こういうコミュニケーションができるようになると、円滑な人間関係が築けて、対人ストレスが生じにくくなる。これが結果的に、自己効力感を高めることにもつながる。

「こうした対応は職場に限らず、家庭内や気の置けない仲間の間でも必要なこと。身につけておくと役立ちます」(同)

週刊朝日 2017年6月16日号

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