バランスの取れた献立の食事か、アレルギー食への対応をしているかなども確認しよう。給食やおやつの時間の見学も一つの手だ。
ある認可外保育園ではこんなこともあった。
子どもたちを車座に座らせ、保育士がおやつのスナック菓子を順番に口へ運ぶ。そのさまは、まるで鳥にエサをあげるようだったという。
認可外の施設は、狭いビルの一室にぎゅうぎゅう詰めの園も少なくない。長時間過ごす空間だけに、赤ちゃんと幼児の部屋が分かれているかなども重要だ。
「荷物が山積みで、地震があったら雪崩が起きそう」
「ビル1階で狭くて薄暗いうえ、赤ちゃんのそばで5歳児が走り回り、落ち着かない」
そんな実態を伝える声も親の会に届いている。
乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高いとされる、うつぶせ寝への対応にも注意したい。呼吸チェックを定期的にしているかなどを質問しよう。
認可外保育園を巡回指導する東京都の担当者は、うつぶせ寝の危険性の認識が不十分な園も少なくないと指摘する。「保育士の知識不足の場合もあるが、『そのくらい大丈夫』とベテランゆえの認識の甘さも目につく」と話す。
保育士は疲れておらず、生き生きと働いているか。見学時だけでなく、通勤時などにも近くを歩いて、様子を見てみるのもよい。
記者は3年前、自らの保活で、駅直結の認可保育園の入園許可をもらった。入園式前までに、念のため見学を再びお願いし、通勤途中には園児の散歩の様子を見るようにした。
すると、疲れ切った表情で床に座り込む保育士の姿など、当初の見学時に見えなかった様子が気になりだした。若い男性保育士が園児や赤ちゃんにヒステリックに怒鳴る場面や、散歩を引率する保育士が子どもそっちのけで、職場の愚痴に花を咲かせる場面にも遭遇した。違和感や不安をぬぐい切れず入園辞退した。
今回の保育園問題の取材時、この系列園の芳しくない評判を偶然にもいくつか耳にした。「あのときの直感は正しかった」と胸をなでおろした。