制作発表の会見で恐怖の表情をする稲川淳二ら出演者
制作発表の会見で恐怖の表情をする稲川淳二ら出演者
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<VR稲川淳二>。

 この字面が、もう怖い……気がする。

「こわい話」「怪談ナイト」シリーズなど怪談の語り手の第一人者、稲川淳二さんの世界が、最新のバーチャルリアリティー(VR、仮想現実)で体験できるようになる。

「怪談とVRの融合」をうたった作品「コワイコエ~稲川淳二のお葬式~」が、6月より横浜の「DMM VR THEATER」(横浜市西区南幸2の1の5)で公開される。

 スタッフが、深夜作業中怖いと感じる→怖いといえば怪談→怪談といえば稲川さん、という連想ゲーム的に企画がうまれ、稲川さんが快諾したという。

 タイトル通り稲川さんのお葬式という設定で、「故人」が好きだった怪談で来場者が稲川さんを見送るという。監督の金田敬さんは制作発表会でその狙いをこう語った。

「お客さん自身も参加できるような形を考えたときに、稲川さんのお葬式に参列するというのはどうかと」

「弔問客」となる来場者は、ホログラムで映し出された稲川さんに、怪談の仮想世界へ導かれていく。稲川さんも、最新技術での「お葬式」について興味しんしん。

「普通には(あの世に)逝きたくないなと思っていたので、自分の葬式の参考にもなるんじゃないかな。怖い話の向こう側には、人と人をつなぐような優しさやあたたかさ、思いやりもあるんです。天寿をまっとうした場合のお葬式って、実は意外と楽しそうな雰囲気があります。案外お祭り気分で聞いていただくのがいいかもしれません」(稲川さん)

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