作品ではサーバルについて「ネコ目ネコ科ネコ属」と分類群も表示しています。フェネックは「ネコ目イヌ科キツネ属」で、ネコなのかイヌなのかわからないというコメントもありました。おやっと思って調べてみると、食肉目をネコ目に改めたという情報が得られるはずです。そういう知識を掘り下げることが好きなアニメファンもいるので、うまくつながった気がします。

 謎は作品を見続けるモチベーションになります。現実世界でも宇宙の謎などがすべて解明されているわけではないですよね。作品では謎解きを重視している訳ではなくて、もともとのコンセプトは「癒やし」です。見続けることで、キャラクターを愛してくれればいい。

 吉崎さんは幅広い世代に見られるものを目指しました。アニメでも、のんびり見られるゆるさが評価されていると思います。

――一般的なアニメより、制作者が少ないことも特徴ですね。

 ヤオヨロズは約10人と小規模ですが、できるだけ自分たちでつくっています。その分融通が利くので、後から「こうした方がいいよね」と作り直しやすい。ソフトウエア開発において短い間隔で修整しながら進めていくアジャイル方式です。一般的なアニメだと、この場面がダメだと思っても、予算や納入期限の関係で修整できないこともあり得ます。

 たつき監督が周りを心配せずに、自由に決められる部分も大きい。僕がマンガの編集者で、たつき監督は漫画家といった感じです。

 メインの声優さんも、フレッシュな人たちを中心に選びました。たつき監督のやり方を先入観で否定せず、一緒に頑張ってくれるチームをつくりたかったからです。

――たつき監督の負担も大きいのでは。

 少人数ゆえに体力面は大変ですが、心理的にはどうでしょうか。お金をもらってなくても自分で動画をつくる人なので、仕事と趣味の境目がわからないぐらいです。ずっとアニメのことばかり考え続けるのは、端から見るとすごいことですが、本人は好きなことをやっているだけかもしれません。

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ