――最終回が放送されても人気は続いています。テレビアニメの第2期への期待も高まっていますが。
アニメは深く関わってくれるコアなファンが多い。ネットにはテレビの視聴率では計れない熱量がある。「視聴熱」がわかれば、かなりいい数字になったのではないでしょうか。
ファンがイラストや小説、コスプレなどに取り組む二次創作も広がっています。ルールを守って、放送後はみんなの心の中で続きを楽しんでもらえればいいと思います。
――オフィシャルガイドブックも人気ですね。
3月25日発売の第1巻は、一部の書店などでは品切れになりました。ファンのお手元にいち早く届くよう増刷して対応しています。今後も1カ月に1冊のペースで第6巻まで発売する予定です。
通常のアニメではBDとして発売しますが、今回は書籍として出しています。そのため、ほかとの比較は難しいですが、冬に放送されたアニメの中では上位だと思います
書籍として出す戦略は、KADOKAWAさんが決めていました。アニメビジネスの構造が変化しているなか、新しい試みです。これまではBDやDVDの特典として、ブックレットがつくことが多かった。今回はブックレットの特典としてBDがついていて、主従関係が逆になっています。
僕は音楽の仕事もしています。音楽の分野では「握手券」といった特典が定着し、CDとの主従関係が変わっている側面もあります。音楽の分野はほかよりも、ワンテンポ早く変化が訪れます。そこで学んだことを、アニメに取り入れました。大きな流れとしては、「情報は無料で体験は有料」ということがあります。
音楽はネット配信でタダで聞く人が多くなりました。CDの売り上げは減るかもしれませんが、ネットを通じてライブに来てくれる人は増えています。
アニメでも声優さんのイベントや上映会など、ファンが同じ場を体験することで、盛り上がれるものがあるといい。
――次の作品のご予定は?
新作の映像作品をつくることは、発表した通り決まっています。いまの段階で言えるのは、「僕もたつき監督もサーバルやかばんちゃんのこれからの映像をたくさん作りたいので、作品を応援してくれると嬉しい」ということです。
(取材/本誌・多田敏男)
※週刊朝日オンライン限定記事