3月24日の国会に参考人招致された迫田氏と武内氏
3月24日の国会に参考人招致された迫田氏と武内氏
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 参院予算委員会は3月24日、森友学園との交渉当時のキーマン、財務省理財局長だった迫田英典氏と近畿財務局長だった武内良樹氏を参考人招致したが、案の定、政治家の介入を否定した。

 不発に終わったが、この結果は「想定内」だと元経産官僚の古賀茂明氏が語る。

「政治家からの口利きをどうさばくかも役人の仕事の一つになってしまっていて、『口利きがありました』などと明かしたら信用を失い、徹底的に干されて役人として生きていけなくなる。組織を出る覚悟がないと真相は話せないでしょう」

 こうなると悔やまれるのは、国有地売買の交渉記録が破棄されてしまったことだ。財務省の国会答弁などによると「財務省行政文書管理規則」などの規定によって売買契約書などの決裁文書は保存されているが、その過程の問い合わせや面会の記録は保存期間1年未満という扱いで、「事案の終了後」、つまり16年6月の売買契約の締結後にすべて破棄してしまったという。

 森友学園問題を追及する森ゆうこ参院議員(自由)はこう疑問を呈する。

「今回の国有地の売買契約には、今年4月までに小学校を開校できなければ国が土地を売値で買い戻せるという特約がついており、実際、そうなった。つまり国と森友学園の取引はまだ終了していない。記録破棄を主張するのはおかしい」

 前出の古賀氏は「記録は存在するはず」と指摘する。

「役所が破棄したと言っているのは、組織として使用する『行政文書』のこと。これが共有サーバーから破棄されても、事案に関わった官僚たちは全員が後のトラブルなどに備え、『個人メモ』という形で記録を自分のパソコンやUSBファイルに残しているものです」

 今の制度は官僚にとって都合がよくできており、肝心の「途中経過」記録を恣意(しい)的に処分できるという。

「これを機に『途中経過を含むすべての記録を50年間保管する』というルールをつくればいい。今でも各個人が負担しているので負担は増えない。野党がいま法案を出せば、自民党も拒めないはずです」(古賀氏)

(本誌・小泉耕平)

週刊朝日  2017年4月7日号より抜粋