「優秀な生徒が周囲から浮き、疎外感を感じる『浮きこぼれ』の子どもを教育学に限らず、生理学的観点からもケアしたいと考え、統合自然科学科認知行動科学コースを志望しました」
合格者が2人だった教養学部は、それぞれマンツーマンでアドバイザー教員がついた。藤村さんは7月末まで毎月面談を受け、それ以降はメールで相談した。
「面接で『この先生の研究に興味があります』と話した先生が、アドバイザー教員になってくださいました。先生から勧められた『認知脳科学』『基礎統計学』などを受講しましたが、自分に向いていないと感じました。一方で、言語比較論や中国文化史の授業はおもしろかった」
悩んだ末、アドバイザー教員に相談したところ、「それならば、進学先を変えたほうがいいね」と助言を受けた。進振りに参加し、比較文学比較芸術コースをめざす予定だ。
「お世話になった先生に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、認めて頂いて感謝しています」
手厚いサポートの一方で、やりたいことが変わったときに縛りつけはしない。推薦入試で入学した学生が、自らやりたい研究に励んで夢や目標を実現してほしいと願う。
※週刊朝日 2017年3月24日号