昨年、芸能活動30年を迎えた彼女は今、ひたむきに歌手の仕事に打ち込んでいる。関係者が言う。
「当時は事件の意味すらよくわからなかった息子も今は高校生。酒井さんは今、何より子どものことを大事に考え、『前向きに生きる自分の背中を見せたい』と頑張っている。先月の公演も盛況だった。会場には、お母さんを見つめる息子さんの姿もありました」
リーマン・ショック(08年9月)、さらには東日本大震災と原発事故(11年3月)の影響もあり、日本の経済は暗いトンネルから脱せずにいる。
失業者や非正規雇用者が増え、若年層の貧困が社会問題化。「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」といった流行語も生まれた。仕事をしても生活がままならない「下流老人」もいる。国の借金は膨らみ、保育園も足りなければ、お年寄りの介護サービスもおぼつかない。
本誌が創刊100年となる2022年には、どんな未来が待っているだろう。
(文中一部敬称略)
※週刊朝日 2017年3月10日号