創刊95周年を迎えた週刊朝日で、現代史を学び直し。今回は2000~10年代を振り返ります。
2000年問題──。コンピューターの誤作動が起きないことを祈る。時計の針が午前0時を無事にまわると、ミレニアムを祝う花火が各地で打ち上げられた。
2000年1月、ヤフー株(額面5万円)が日本の株式市場で初の1億円台を記録。「IT革命」が叫ばれ、ベンチャー企業が続々と上場した。ITが日本経済を再生し、家庭や職場、医療、教育など、あらゆる現場をバラ色にするかのように語られた。
だが、同年秋にはITバブルが崩壊。06年には“時代の寵児”ともてはやされたヒルズ族たちが窮地に立たされる。
1月、東京地検特捜部が証券取引法違反容疑でライブドアの強制捜査に着手。本誌2月3日号では、作家高杉良が持論を展開する。
<ニッポン放送株を買い取ったフジテレビは、ライブドアに1470億円も払わされた。どう考えても「あだ花」というか、まともな会社とは思えません。(中略)こうした人物が経営する会社の結末は、容易に予期できます>
6月には村上ファンドの村上世彰が同法違反容疑で逮捕された。本誌は村上が知人に話した内容として、
<仕組まれた。ライブドアと検察が組んでいる。ライブドアを信用したのが間違いだった。(中略)知り合いの政治家に電話してもつながらない。みんな避けている。信じられん。くそー、このままではやりきれない>
と紹介した。
「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞に選ばれた07年の本誌記事が、フジテレビ系の人気番組「発掘!あるある大事典II」の納豆ダイエット捏造(ねつぞう)データのスクープである。
きっかけは、放送から2日後の会議だった。
「自宅の冷蔵庫を開けたら納豆がぎっしり。放送後に妻が買い込んでいた」
「そもそも納豆でダイエットができるのか。番組では米国の研究が紹介されていたが、納豆が米国人の口に合うわけがない」
「言われてみるとそうだ」