資金面も問題視された。新校舎などのために積み立てるよう文科省が指導する「第2号基本金」の額を委員が尋ねると、府の事務局の回答は、
<ゼロでございます>
これには委員も、<2号基本金ゼロやったら計画性は無いわな>と呆れる。
これだけ異論が噴出したにもかかわらず、翌15年1月に開かれた臨時審議会は、条件付きで小学校を認可適当と答申。審議会のメンバーの一人がこう振り返る。
「『こりゃダメだ』って雰囲気でしたよ。最後は府の事務方が、もう用地も取得しているし当初の計画より遅れているとか、今後もチェックするからとか、何とかまとめる方向性に持っていった」
一方、小学校の建設現場では、掘り出したゴミの一部を埋め戻していたことが新たに発覚。工事に関わった別の業者はこう語る。
「ゴミのすべては撤去されず、埋まったままのものもある。掘り出した土も油だらけで異様な臭いがした。ゴミの一部は運動場に埋め戻したものもあり、大丈夫かと思いました」
こんなところに義務教育の小学校を開校しても大丈夫なのだろうか。
果たして真相が解明される日はくるのか。問題が長期化すれば、政権に与える影響も大きくなる。
「夏の都議選にも影響を与え、小池新党がますます躍進する結果になるだろう。いずれにせよ、今後の政権戦略への影響は避けられない」(前出の官邸関係者)
安倍一強が揺らいできたのは間違いない。(今西憲之/本誌・小泉耕平、村上新太郎)
※週刊朝日 2017年3月10日号より抜粋