クサマヤヨイの名前を知らない人はもはやいないだろう。1950年代から世界のアートシーンの第一線に立ち、87歳を迎えた現在も、毎日8時間以上描きつづける前衛芸術家。2016年には、米TIME誌「世界で最も影響力がある100人」に日本人として唯一選ばれている。集大成とも言える個展『「草間彌生 わが永遠の魂」YAYOI KUSAMA:My Eternal Soul』に際し、特別インタビューとともに、横顔に迫った。
──今回の個展では、8年前から手がける大作絵画の連作「わが永遠の魂」から約130点が展示されます。
どの作品も私の心の中から出ているから、みな愛着があります。私の創造の意欲がすべて表れている。
絵を描いているといくらでもアイデアが出てきて、いちいち考えているわけじゃないんです。わくわくしてくる。朝の9時から夜遅くなるまで描いて、時計を見ると朝の3時50分になっていることもある。使いすぎて手が動かなくなったり、倒れたり、ご飯を食べることを忘れたり。一番の悩みは時間がないこと。
――連作のなかには、「原爆の足跡」と題された作品もありますが。
戦争のものは、たくさん作っているうちの一つです。平和への思いと、戦争への嫌悪があり、世界中の人が平和に暮らすことが、芸術家の使命だと燃えています。