
2月16日。皇太子ご夫妻は、東京・上野にある東京国立博物館の「春日大社 千年の至宝」展を訪れた。
皇太子さまは、絵巻物などの展示物を指しながら説明するように、雅子さまに話しかけている。
「妃殿下が傍らにおられるとき、皇太子殿下はなんとも柔らかい表情をお見せになるのです」
公務を報じるテレビニュースを見ながらうれしそうに話すのは、夫妻と交流を持つ人物。だが、すぐに真剣な表情に戻り、続けた。
「私たちが本当に関心を持っているのは、皇太子さまがどのような『覚悟』をお示しになるかです」
2月23日、皇太子さまは57歳の誕生日を迎える。昨年、皇后美智子さまと秋篠宮さまが、お誕生日の文書回答や会見で天皇陛下の退位をめぐる報道に言及している。
とくに、秋篠宮さまは皇族方の高齢化と人数の減少を踏まえ、皇室の将来の在り方について明確に意見を述べた。それだけに、「新天皇」となる皇太子さまの「決意表明」があるのではと世間では期待する人も多いのだが、ある宮内庁関係者はこう語る。
「それが、宮内庁内では皇太子さまのことはあまり話題になっていないのです」
続けて言う。
「いまの陛下は、皇太子時代から象徴天皇のあるべき姿について、会見などで言及されてきた。しかし、皇太子さまは、陛下が『回答を待っている』と言及された『新しい公務』についても、お示しにならないままでした」