小野:ありますね。

福井:古代進と同じ理不尽な状況に置かれたときに、小野さんからどんな声が出てくるのかなと。実際、いい声が出てましたね(笑)。

小野:ありがとうございます(笑)。3年間、相当ストレスフルだったんだろうなと、僕自身慮るところもあって。古代進の人間性自体は変わっていないはずなのですが、部下に対する責任もある一方で、血気盛んな部分も、もちろん残っている。自分自身と照らし合わせられる部分もけっこうあったんです。

福井:自分自身と?

小野:「2199」が始まったころは、「まだ若手だよな」という思いもあって。「ヤマト」のプレッシャーを感じつつも、ベテランの方もたくさんいらっしゃるし、助けてもらえるという気持ちもありました。それが今回は、本当に自分が背負わなければという覚悟が生まれてきている気がします。翻弄されながらも、「ヤマト」は楽しいんですよね。この先どうなるんだろうと、ずっとドキドキしています。

福井:翻弄されながらも、ちゃんと踏みとどまって出してる声が欲しかったので、そこはホントに素晴らしい。もう少し進むと、ああ、そうだったんだ、というところも、出てきたりするんじゃないでしょうかね。

──福井さんにとっての「さらば」の存在とは?

福井:たしか僕が小学4年生の夏に上映された作品です。同時期にやっていた「スター・ウォーズ」と、どちらか1本を選べと親に言われ、「スター・ウォーズ」を見に行ってしまいました(笑)。そのあと、テレビ版の続編「ヤマト2」(78年10月)を先に見てしまったりして、「さらば」を見たのは80年の暮れにテレビ放映されたものでした。シリーズが続いていることを知りながら見ても泣けた。「さらば」のあの思い詰めた感じ、ギリギリした感じというのを「2202」でもきちんと再現していきたいなと。

小野:ギリギリした感じ……。

福井:過去のオマージュとしてだけでなく、今現在われわれが生きているこの世界、特に自分の世代が感じる、年金出るのかな、もしかしたらなくなるかも、みたいな未来は、全く予定していなかった未来だと思うんですよ。「2199」も、旧作と着地しているところがだいぶ違いますよね。

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