福井:並び的に、俺は機関長あたりかな?
小野:そうかもしれませんね。クルーの中には真田志郎役の大塚芳忠さんがいて、沖田艦長役の菅生隆之さんもいました。佐渡先生役の千葉繁さんも徳川彦左衛門役の麦人さんもいてくれる。替えのきかない安定感、安心感があるんです。いてくれるだけでいいみたいな。
福井:これだけのメンツがそろうのは豪華ですよね。
小野:いっぽうで、南部役の赤羽根健治くんや相原役の國分和人くんといった若手がまた、ヤマトが楽しいと思って参加してくれているのが強く伝わってきて。
福井:声優さんのキャリアも、うまいこと役と連動しているわけなんだね。
小野:昔からヤマトを知っている世代とこれから知る世代、それが同じ船に乗っているんだということをあらためて実感して、なんかジーンとしました。このクルーがいれば大丈夫、俺は自分のやることをまっとうするのみだと。「2202」のアフレコに関しては、何の不安もなかったですね。
福井:最初の「ヤマト」を、「2199」が終わってから見たのは、どうして?
小野:古代進として、結末を知ったうえで旅立ちたくないという思いがありまして。もともと知っている作品だと、これからどうなるんだろうというワクワク感や新鮮な驚きがどうしても薄くなるので、客観的に演じてしまうこともあります。結末を知ることも大事だとは思うのですが、翻弄される感覚を古代進と同じにしたい。旧作をじっくり見るのは、すべて終わってからということに決めています。
福井:僕も、一体どうなってるんだ!? というところで演じてもらいたかった。
小野:一話目の収録の段階では、完全にそうでしたね。なぜなんだという憤りや怒り、そういったものがあるからこそ、男として旅に出る。古代と同じように、俺たちがやらなければと感じました。
──「2202」では、3年の月日が流れています。
福井:古代進にとって、この3年間は、とてもストレスフルだったと思うんです。だけど、そんな自分のストレスは周りの部下には見せてはいけない。古代進は、自分でもどうなってるんだと思っていても、どっしりしていなければならないんだというところ、あるじゃないですか。